Fall Out Boyも解散していた訳ではないが、実に5年振りとなるニュー・アルバム『So Much (for) Stardust』をリリースし、ビルボードTOP200で6位にランクインするなど不動の人気を見せつけた。このリリースが注目を集めた理由の一つとして、2003年のデビュー・アルバム『Take This to Your Grave』以来、20年ぶりにFueled By Ramenからのリリースとなったところにある。Fueled By Ramenの今があるのも、Fall Out Boyの存在によるものが大きいし、現在まで続くエモロックの経典として、今も計り知れない影響力を放ち続けている。
Boys Like Girls
Fall Out Boyよりも長くアルバムをリリースしていなかったエモロック/ポップパンク・バンドがいる。Boys Like Girlsだ。ポップパンクとして語るには少しポップすぎるかもしれないが、2000年代後半にAll Time Lowなどと共に一大ムーヴメントを築いた重要バンドであることに変わりはない。11年振りとなったアルバム『Sunday at Foxwoods』は、驚くべきことに初期Boys Like Girlsのはつらつとしたエナジーが煌びやかに光る楽曲が多く収録されており、特に「THE OUTSIDE」はこれまでのBoys Like Girlsの活動の歴史の中で撮影されてきた多くの映像資料を組み合わせたミュージックビデオが注目を集め、「OUTSIDER VERSION」として懐かしの3OH!3、そしてState Champs、The Summer Set、The Ready Setというエモ/ポップパンクのカリスマが参加した、素晴らしい映像作品も残されている。彼らの復活が大きな刺激となったかのように、2000年代後半のエモ/ポップパンク・ムーヴメントで活躍したいくつかのバンドも復活している。
国内盤などはリリースされなかったが、国内でも多くのファンをもっていたI Call Fivesも11年振りとなる作品『Not for Everone』をリリースしている。2012年からタイムスリップしてきたかのような、全く変わることのない突き抜けるようなポップパンクは健在だ。そして、こちらも同じく11年振りとなるニュー・アルバム『Second Chance』をリリースしたFreshman 15も、本当に長い間音沙汰のなかったバンドであるが、アルバムの完成度は素晴らしいものがある。なぜなら、全く退化していなければ、進化もしていないからだ。これはもちろん、不変の魅力があるという、褒め言葉である。