2022.06.15
MOD SUN (モッド・サン) とはどんな人物なのか。ポップパンク・シンガーとしてMachine Gun Kellyやblackbearとコラボ、2022年4月にはAvril Lavigneとの婚約を発表し、世界のロック・シーンから注目が集まる彼の経歴を振り返ってみよう。
MOD SUNは、1987年3月10日生まれのシンガーソングライター/ラッパー。本名はDerek Ryan Smith (デレク・ライアン・スミス)。ミネソタ州ブルーミントン出身で、これまでに4枚のソロ・アルバムをリリースしている。
彼はソロ・シンガーとして経歴をスタートさせた訳ではなく、ドラマーとしてこれまでに幾つかのバンドに在籍してきた。代表的なバンドのひとつは、Scary Kids Scaring Kids (スケアリー・キッズ・スケアリング・キッズ) で、在籍期間は短いものの、バンドが解散するまで活躍した。そのほかに、Four Letter Lie、The Semester、Sideline Heroesというバンドにも所属した経験がある。
2022年、Scary Kids Scaring Kidsがリリースした久しぶりのアルバムの収録曲「Escape From My Reality」でMOD SUNがボーカルを担当しているのを知っている人が多いだろう。彼が元メンバーだということを初めて知った人も多いと思うが、彼の歌声とロック・サウンドのコンビネーションは素晴らしいものがあり、Derekが長くロックシーンで活躍している理由が感じられる1曲だろう。
現在はポップパンク/ロック・シンガーとして知られるMOD SUNだが、前述した通り、活動をスタートさせた当初はラッパー。大きくポップパンクへシフトした最新作『Internet Killed the Rockstar』以前のサウンドはラップであるが、Derekがロック・ドラマーだったキャリアを生かした楽曲が多いのがポイントだ。
MOD SUNのキャリアの出発点は、間違いなくポップパンクだった。高校生のころにSideline Heroes、the Semesterというバンドを渡り歩き、ドラマーとして活躍。その後、ポスト・ハードコア・バンドFour Letter Lieへ加入したが、2009年にバンドをクビになってしまう。Derekはクビになったあと、ドラッグを売り歩くような暗黒時代を過ごしたが、同じポストハードコア・シーンのバンド、Scary Kids Scaring Kidsのドラム・テクニシャンとして時間を共にするようになり、最終的にDerekはドラマーとしてScary Kids Scaring Kidsへと加入。そのとき加入条件として、MOD SUNという名のラッパーとしてバンドの前座を務めることを提示したというのは有名な話。実際にバンドはそれを受け入れ、ステージを盛り上げたというから流石だ。
2022年3月には、彼の独特な経歴をまとめたドキュメンタリー『Remember Me Just Like This』がYouTubeで公開された。この映像ではMachine Gun KellyやAvril Lavigne、Derekの家族などが出演し、MOD SUNという人物がどのような人物なのかを語っている。Derekの初期から現在までを本人談も交えながら振り返るこのビデオは、彼の魅力を引き出した重要なビデオであると言えるだろう。
2022年に入ってからもシングルリリースをコンスタントに続け、注目を集めているMOD SUN。ポップパンク、ポストハードコア出身のドラマーとしてキャリアをスタートさせながら、ラッパーからパンク・シンガーへ劇的に進化しているMOD SUNことDerek Smithの成長からこれからも目が離せない。
BACK TO LIST