2021.05.18
Green Dayのギター/ボーカリストとして知られるBillie Joe Armstrong。メロディックパンクをメインストリームへ押し上げ、世界を代表するパンクロック・スターになった今も、数多くのサイドプロジェクトを持っている。それは決して彼にとってビジネスツールではなく、溢れ出る創作意欲を表現するツールだ。
最近で言えば、Green Dayの覆面バンドとして知られるThe Networkとして、アルバム『MoneyMoney 2020』をリリースしたり、ソロアルバム『No Fun Mondays』をロックダウン中に制作し昨年発表している。長らく動きはないが、Pinhead GunpowderやThe Longshotというプロジェクトも人気があり、彼の音楽に魅力されている人はパンクシーン以外にも多いだろう。
多くのサイドプロジェクトのひとつに、The Booというバンドがある。これは、2011年に息子のJacobとJoey、そして妻のAdrienneと共に結成したファミリーバンドで、『The Armstrong Family』という7inchも発売している。これも、たった100枚のみの限定プレスだったようで、一儲けしようなんて気は微塵も感じられない。
Billieは妻と共にAdeline Recordsというレーベルを1997年に設立している。この頃はちょうどGreen Dayが『Nimrod』をリリースした時期で、バンドの状況も落ち着き始めていたのだろう。Adeline Recordsは、BillieがOne Man Armyの作品をリリースする為に始まり、現在まで地元を中心とした若手バンドのフックアップを続け、Green Day周辺のサイドプロジェクトなどのリリースも手掛けている。
Joeyがドラムを務めるバンド、Emily’s Armyの作品もリリースしていて、2008年のデモ音源『This Kid.』から、2014年の『Swim』までプロダクション・マネージャーとしてBillieの名前がクレジットされている。その後、Emily’s Armyは改名し、現在はSWMRSとしてFueled By Ramenに所属。インディロックとパンクの間をいくロックサウンドでファンを獲得し、フェスなどに出演しまくっている。Jacobも音楽活動を続けており、現在はJacob Dangerという名前でソロ作品を制作していて、2020年にはEP『1captainsLog』を発表した。
JoeyもJacobも「Green DayのBillieの息子」として音楽活動をしている訳ではない。どちらかといえば、そうした肩書きに頼らずに、自身のソングライティングに向き合っているし、何度もバンド名を変えているのも、自分の実力を試したいという表れなのかもしれない。そうした気質は、どこか父親譲りのようにも見える。世界中の音楽ファンを魅了するArmstrong家の音楽はきっと、Joey、Jacobの息子達にも受け継がれていくだろう。もしかしたら、孫とパンクバンドを組むBillie Joeが未来で待っているかもしれない。
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