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オーストラリアン・パンク最前線

2021.06.17

一般的にオーストラリアのバンドといえば、グランジ、サーフ、インディー、サイケデリック……など、様々な要素がぐちゃぐちゃにミックスされた、決して既存のジャンルで一括りに出来ない何かがある。それはサウンドであったり、ヴィジュアルであったり、時には体の内側から滲み出てくる得体の知れない分泌液のような人間らしさだったりするから面白い。

 

現行のオーストラリアン・パンク (以下親しみを込めてオージーパンクと呼ぶ) は、ミドルテンポの緩く心地が良い曲調が特徴的なオルタナティヴな響きとサーフ/スケートカルチャーのクロスオーバーが流行中。彼らのおバカで親しみやすいキャラクターも魅力で、凝っているのかいないのか絶妙なビデオ・ディレクションなんかも流行に敏感な世代にはお洒落に写るだろう。今回は、2021年にチェックしておきたいオージー・パンクバンド3組をピックアップ!

 


 

 

Violent Soho

 

Violent Sohoは、2004年に当時ブリスベン・マンスフィールドで同じ高校に通っていたギターボーカルのLuke  Boerdam、ギターのJames Tidswell、ベースのLuke Henery、ドラムのMichael Richardsによって結成されたオルタナティブロック/パンクバンド。NirvanaThe Pixiesといった90年代のグランジを彷彿とさせるサウンドが特徴的。2009年にニューヨークの伝説的ノイズロックバンドSonic YouthのThurston Mooreの目に留まり、Ecstatic Peace! Recordsと契約しアメリカに渡ると、1年以上にも及ぶアメリカ拠点の活動を行い、2013年から再びオーストラリアへと戻る。その後、同郷ののレーベルI OH YOUから通算三枚目となるスタジオ・アルバム『Hungry Ghost』 をリリースし注目を集め、一躍人気バンドへと成長。2020年の最新アルバム『Everything Is A-OK』は、オーストラリア国内チャートで1位を獲得し、オージー・パンクシーンを牽引する重要な存在として世界中で認知されている。

 

 

2013年のアルバム『Hungry Ghost』に収録されている彼らの代表曲「Covered In Chrome」。メンバーの家で撮影されたこちらのミュージックビデオから、オーストラリアン・ライフを感じることができる。

 

 

メンバーがふざけ倒している「Viceroy」のミュージックビデオ。これぞオーストラリア!

 


 

 

DZ Deathrays

 

次に紹介するのは同じくブリズベンを拠点に活動するDZ Deathrays。ギター/ボーカルのShane Parsons とドラムのSimon Ridleyによって、2008年に結成されたダンス・パンクバンドだ。2018年にツアーメンバーだったLachlan Ewbankが正規メンバーに加わり現在はトリオ体制。ギターとドラムというシンプルな構成から放たれるサウンドは重厚感があり、そこにサイケデリックやシューゲイザー、ノイズといった異物質をブチ込み、DZ Deathraysにしか鳴らせないアトモスフェリックなのに重々しい轟音を打ち鳴らす。2012年にIllusive Soundsから発売したデビュー・アルバム『Bloodstreams』は、オーストラリアのミュージックアワード、AIRのBest Independent Hard Rock or Punk Album部門と、ARIAのBest Hard Rock/Heavy Metal Album部門を勝ち取り、その人気は世界へと波及。現在はViolent Sohoと同じくI OH YOUに所属し、今月ニューアルバム『Positive Rising: Part 2』をリリースした。

 

 

彼らが初めて作ったミュージックビデオ「The Mess Up」。曲が流れる中、ただひたすらイェーガーのショットを飲むというもの。相当いってます。

 

 

オーストラリアの大人気教育番組のThe Wigglesの元メンバーであるMurray Cookが出演し話題となったミュージックビデオ。

 


 

 

Dune Rats

 

またまた最後もブリズベン出身、ギターボーカルのDanny Beus、ドラムのBC Michaels、ベースのBrett Janschからなる3ピースパンクバンド、Dune Rats。2011年に活動を開始した彼らは、パーティー、アルコール、ドラッグが題材の曲やMVが多く、危険な香りがします。DZ Deathraysの「The Mess Up」をオマージュした2013年公開「Red Light, Green Light」のミュージックビデオは、イェーガーではなくボングを吸うという衝撃的な内容で彼らを一躍有名に。サーフ、グランジ、ポップパンクがミックスされたサウンドが特徴的な彼らですが、2020年にバンド自身のレーベルRatbag Recordsから発売された通算3枚目のスタジオ・アルバム『Hurry Up and Wait』で更にポップパンク要素が強いサウンドへと進化しています。

 

 

Dune Ratsらしさ全開のこちらは、セカンド・アルバム『The Kids Will Know It’s Bullshit』から「Bullshit」のミュージックビデオ。この動画を見ればおバカでクレイジーでチャーミングな彼らの性格がよくわかりますね!

 

 

また、今回紹介した中からViolent SohoとDune Ratsの2バンドが、7月24日(土)、25日(日)に開催されるオンラインフェス”SPLENDOUR XR”への出演が決まっており、両バンドとも24日に出演。このフェスはオーストラリアのバイロンベイで毎年冬に開催される音楽フェス”Splendour In The Glass”をバーチャルの世界に落とし込んだもので、実際のフェスのようにオンライン上に再現された会場を散策したり、ライブを楽しんだりできます。日本からもBAND-MAIDmillennium paradeが7月25日に出演することが決まっている。https://www.youtube.com/watch?v=cuFcTT1OMMA

 

 

 

 

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