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The Kid LAROIにロックシーンが夢中な理由 〜

2021.09.16

 

Justin Bieberとコラボした楽曲「STAY」が大ヒット中のThe Kid LAROI (ザ・キッド・ラロイ)。2003年オーストラリア/シドニー生まれのZ世代シンガーで、エモラップの最重要アーティストであるJuice WRLDに見出され、彼が亡くなった後もその意志を引き継ぎながら、若干17歳で音楽シーンのトップに登り詰めた。複雑な家庭環境で育ち、繊細で孤独な心模様を描いた歌詞も魅力で、ファンだけでなく、Machine Gun KellyやHolseyといったアーティストも一目置く存在になっている。

 

 

 

The Kid LAROIは、MTVのインタビューでは最も影響を受けたアーティストにKanye Westを挙げ、母の影響でErykah Baduや2Pacといったラップ・ミュージックに出会い心酔していったと語る。また、彼の師匠と言うべきJuice WRLDの存在も大きく、ソングライティングにもその影響を色濃く感じる。The Kid LAROIのポップセンスがロックシーンも虜にしているのは、メロディックラップの文化的な影響が背景にあるのかもしれない。

 

 

すでに多くのアーティストが「STAY」をカバーしているが、その中でもロックな魅力が引き出された魅力的な作品をいくつかピックアップしてみたいと思う。

 

 

 

Belmontは、The Story So FarやFour Year Strongといったポップパンクバンドからインディロック/パンクバンドが所属するアメリカのレーベルPure Noise Records所属のニューカマー。フックの効いたポップパンクをヘヴィに鳴らし注目を集め、2020年発表のEP『Reflections』では、ポップパンクながら特異なエレクトロニック・アレンジを施し話題となった。そんな彼らがBelmont流に「STAY」をカバーすれば、フックの効いたクセのあるポップパンク・グルーヴ満載に仕上げてくれる。

 

 

 

この手のロックカバーと言えば、日本でもお馴染みのポップシンガーAlex Gootの得意分野だ。同じく多くの楽曲をカバーしYouTubeを中心に人気を博しているFirst To Elevenとコラボし、ピアノの音色が光るエモロックへとアレンジ。こうして聞いてみると、メインストリームのポップ・ヒッツに比べても遜色無いキラーチューンであることが分かる。

 

 

 

同じく近年はグローバル・ヒット曲のカバーし、YouTubeのチャンネル登録者数が200万人を超えるベテラン、Out Last Nightも「STAY」のロックカバーを披露。メタルコア、ポストハードコアをルーツに持ちながらも華麗にロック・バージョンへと昇華する彼らのテクニックも素晴らしい。

 

 

 

 

以前、無名のメタルコア/ポストハードコアバンドBehind Your EyesがBTSの「FAKE LOVE」を完璧にカバーして8000万回近いバズを叩き出したのは記憶に新しい。Fame on Fireは、メタルコアシーンではそれなりに人気のあるバンドで実力も高く、現在公開されているいくつかの”メタル・カバー”の中で最もクオリティが高いと言える。半月で26万回の再生回数を記録しており、それなりにバズっているようにも感じる。この下に掲載するNo Resolveのカバーも、オリジナル曲よりも再生されていて、バンドのプロモーションとして大成功している。

 

 

 

ポップパンクやメタルコアといった音楽シーンでは、ヒット曲をカバーする文化が根付いているので、現在はバンドのプロモーションとしてこうしたカバーを頻繁に行うバンドも多い。特にOur Last Nightはベテラン・オルタナティヴ・メタルコアでありながらも、YouTubeチャンネルをライブ以外の主戦場としてビジネス的にも成功しているように見える。もちろん、純粋にThe Kid LAROIが好きでバンドでカバーする、というのが一番の理由であるべきだが、双方のファンにとってもプラスしかないこうしたカバー企画はどんどん行われていくべきだと思う。

 

記事のタイトルのように、The Kid LAROIの音楽が、ロックシーンを虜にしているのは間違いない。そしてThe Kid LAROIも間接的ではあるが、ロック、特にエモーショナルな音楽からの影響を多大に受けている。先日、韓国のポップ・グループTOMORROW X TOGETHERがMOD SUNとコラボレーションしたように、ポップとロックがもっと直接的に影響し合うようになったら面白いだろうと感じる。

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