2025.03.29
Credit: Vanessa Heins
Jeffのバック・ボーカルと、うっかり間違えた歌詞も加わった痛烈な「Get Dumber」は、まさにPUPらしい最高の一撃だ。ステファン・バブコックはこの曲についてこう語っている。「“Get Dumber”はジェフの地下室で書いたんだ。彼がツアー中、彼の家の世話をしていた時に。彼のギター、マイク、パソコンを使って最初のデモを録音した。ジェフの“幽霊”が部屋にいたからか、この曲は最初から一緒に歌っているイメージがあった。だから彼が歌ってくれると聞いてすごく嬉しかった。
僕らは同じ部屋で向かい合ってボーカルを録ったんだ。つまり、どちらかがミスるとやり直しという状況。1テイク目、ジェフは2番で歌詞を忘れて“ああああ、リリック!”と叫んだ。僕は笑いすぎて続けられなかった。その後、正しい歌詞を練習してくれたけど、“ああああリリック”の方が面白いし、曲のタイトルが『Get Dumber』だし、そのまま使うことにした。2テイク目で完璧だったよ」。
『Who Will Look After The Dogs?』は、PUPにとって衝撃的で心を解放する5作目のフルアルバムであり、これまでで最も即効性があり、無駄を削ぎ落とし、強烈に響く作品だ。ロサンゼルスで、プロデューサーのジョン・コングルトンとともに3週間かけて制作された本作は、過去10年にわたる絶え間ないツアーと、ステージ上での電気のような化学反応の集大成とも言える内容となっている。
このアルバムは、彼らのセルフタイトル・デビュー作の雷を瓶に閉じ込めたような衝動を想起させる(もちろん、今はもっと演奏が上手くなっているが)。自己嫌悪キャラのフロントマン、ステファン・バブコックはここで、最も内省的で、脆く、そして創造的な姿を見せている。全12曲を通して、バブコックは自身の人生における人間関係——恋愛、バンド仲間との関係、そして最も容赦のない「自分自身との関係」——を掘り下げている。
成長の証も多く見られる一方で、アレンジには予測不能な混沌があり、歌詞には辛辣なユーモアが効いている。そして、これまでのアルバム制作でメンバー同士が喧嘩ばかりしてきたPUPだが、今回は面倒な完璧主義を捨て、「大音量の音楽を仲間と作ることの喜び」を再発見したのだ。『Who Will Look After The Dogs?』は現在予約受付中!
バブコック曰く:「前作『The Unraveling of PUPTHEBAND』を発表してから数日以内に、偶然にも俺の人生が崩壊したんだ。『Hallways』の歌詞は、ちょうどその真っ只中で書いた。めちゃくちゃ変な一週間だったよ。今回の新しいレコードのタイトル『Who Will Look After The Dogs?』は、アルバム制作で最初に書いた言葉で、ページの一番上に書いたんだ」。
俺はこの言葉が“破壊的”だと思ってる。もちろん、『やべぇ、これは大げさすぎるだろ』って意味でね。特にその前の一行と合わせて読むと、なおさら。でも、それが俺たちには面白く感じるんだ。落ち込んだときに誰もが口にする、あの大げさでドラマチックな台詞って、あとから冷静になると笑えるだろ?他の人が面白いと思うかは知らないけど、たまには自分で自分を笑うことも必要なんだ。それが、暗闇から抜け出す唯一の方法だったりする。マジで。」
さらに!PUPとJeff Rosenstockによる共同ヘッドライナーツアー「PUP + JEFF ROSENSTOCK PRESENT: A CATACLYSMIC RAPTURE OF FRIENDSHIPNESS」が決定!「Get Dumber」や他の楽曲をライブで体験できるチャンスだ。
10年前にも共にツアーをしたことのある2組だが、その時のエピソードは…:
– ジェフのバンが2回故障
– ステファンがハイキング中にサボテンに突っ込み、顔と手がパンパンに腫れる
– 吹雪でデンバー公演中止、ワイオミングで足止め
– スティーブがガソリンスタンドの変なサンドイッチを食べて食中毒
– ジェフの機材が全部盗まれる
– ステファンが声帯を傷めてPUPがツアー最終週をキャンセル → アルバム『The Dream Is Over』が誕生
…でも今回は大丈夫。たぶん。Ekko AstralがUS全公演をサポート、チケットは3月28日午前10時から発売。
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