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【2024年上半期】メロディが爽やかに煌めく ポップパンクの名盤

2024.06.12


 
すでにポップパンク・シーンではトップを走るバンドとして高い知名度を誇るNeck Deepであるが、SUM41のファイナル・ジャパン・ツアーで初めて彼らを知った、または初めてライブを観たという方も多かっただろう。どういったバンドがSUM41やNOFXがいなくなった後のパンクシーンを牽引していくかは、気になるところであるが、ポップパンクにおいてはNeck DeepやState Champsといったバンドが世界を牽引していくに違いない。ただ、後続の勢いもあるのと、俄然ベテランの影響力が高いことからなかなか若手が突然売れるということはなさそうだ。しかし、才能あるポップパンク・バンドがいくつも登場し、ファンを楽しませてくれたのは間違いない。ここではベテランからこれから注目しておきたいポップパンク系バンドのEP/アルバムをレビューしていく。
 

 
▶︎Neck Deep 『Neck Deep』
前作『All Distortions Are Intentional』から4年振りのリリースとなった通算5枚目のスタジオ・アルバム。本作から新たにMatt Powlesがドラマーとして加わり、デビュー・アルバム以来Seb Barlowがプロデュース/エンジニアリングを担当。ミックスはSam Guaiana、マスタリングはMike Kalajianが務めた。先行シングル「Heartbreak of the Century」では、柔らかなキーボードの音色をサウンドにしっとりと溶け込ませ、芯のあるポップパンクを香り豊かに仕立てている。澄明極まりない音色と響きからはすでに巨匠の風格さえ漂う。
 

 

 

 
▶︎408 『Hot Mess』
フロリダ州オーランドを拠点に活動する408の2022年リリースの『Out Of It』に次ぐセカンド・アルバム。Big Noise Musicとの契約を果たし、本作までにMagnolia ParkやKellin Quinn、SadBoisといったアーティスト達をゲストに迎えたシングルをリリース、TikTokなどSNSを駆使しながら、2020年代ポップパンク・シーンの注目すべきニューカマーとしての存在感を見せてきた。カラフルで甘酸っぱい「Break Up With Your Girlfriend」はネオン・ポップパンクのリバイバルを予感させるヒット・シングルとしてMVにもなっている。
 

 

 

 
▶︎Between You & Me 『Sh!t Yeah』
オーストラリアを拠点に活動するBetween You & Meが、Hopeless Recordsを離れ、D.I.Y.に戻ってからリリースする初の作品は、不変のポップネスがコンパクトにまとまった6曲入りのEPに仕上がっており、Knuckle Puckをフィーチャーした「Kill Me Vibe」や抜群のハーモニーと細やかで色彩豊かなメロディが弾けるキラーチューン「Nevermind」などカラフルでポジティヴな魅力が爆発している。Seewayのあるような胸に染み入るようなセンチメンタルなメロディが好きなら必聴と言えるだろう。
 

 


 
▶︎AIRFLIP 『Echoes』
前作から2年3ヶ月振りとなる本作は、Four Year Strongを彷彿とさせるフックの利いた「Overdrive (feat.Rui from See You Smile)」で幕を開け、海外からのフィーチャリング・ゲストである粗大BandのLuを迎えたタイトル曲「Echos」をはじめ、KOJI (SWANKY DANK)、JOEY (EGG BRAIN)といった彼らの盟友ともいうべきバンドとのコラボ曲が多数収録されている。ギター/ボーカルSatoshiの流麗な英詞は国内最高峰、AIRFLIPの光輝くメロディをさらに煌びやかに仕立てるカリスマ性は本作でも発揮されている。
 

 

 

 
▶︎Games We Play 『Life’s Going Great』
TikTokから登場したポップパンク・シンガーソングライターEmmyn Calleiroによるプロジェクト、Games We Playのデビュー・アルバム。契約のきっかけとなったFall Out BoyのPeteは彼について、昔に戻ったかのような、しかし未来から来たような存在とコメントしている。懐かしい香りのするネオン・ポップパンクには、音楽性だけでなく様々な要素が自由奔放に織り込まれているように聴こえる。Peteが惚れ込んだ才能、その魅力は彼のソーシャルメディア、音楽、コミカルな感じられるはずだ。
 

 


 
▶︎BRAG『Does Everything Take This Long?』
カナダ・トロント在住のミュージシャンJoey Mossmanによるポップパンク・ソロプロジェクト。楽曲制作からプロデュース、レコーディングからミックスまでを自身で務めた本作は、古き良きポップパンク/ハードコアの遊び心を1分間に詰め込んだ「F.O.P」から同郷のSeewayからの影響感じさせるリード・シングル「SPILL」「WAY OUT」といった楽曲が楽しめる10曲22分とコンパクトな仕上がりとなっている。バンド名、アートワーク、楽曲スタイルなどは決して派手ではないが、不思議と何度も再生してしまう耳馴染みの良さがある。
 

 

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