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Machine Gun Kellyはなぜ、現行ポップパンクシーンで重要な存在なのか

2021.01.11

 

2021年1月15日に公開されるMachine Gun Kelly (マシンガン・ケリー)のミュージカル映画『Downfalls High』への期待が高まっている。この映画は、2020年にMachine Gun Kellyがリリースしたアルバム『Tickets to My Downfall』が基になっており、アルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーにクレジットされているblink-182のドラマーTravis BarkerがMachine Gun Kellyと共にナレーションを担当している。

 

Machine Gun Kellyが今、ポップパンクシーンで注目を集めているのにはいくつか理由がある。Kellyは2012年にミニアルバム『Half Naked & Almost Famous』で全米デビュー。同年発表されたデビューアルバム『Lace Up』がBillboardチャート4位にランクインし、アメリカを代表するアーティストへと成長。ただ、このころのMachine Gun Kellyはラップ・ミュージックが主で、ロックシーンとの繋がり、特にパンクシーンでの知名度はメインストリームにまでは広がらなかった。

 

 

Kellyの最新作『Tickets to My Downfall』は、もともとポップパンクが好きだったKellyがTravis Barkerとタッグを組み制作したキャリア初のポップパンク・アルバムで、全米アルバムチャートで見事1位を獲得。近年のBillboardチャートといえば、ヒップホップがチャートを席巻していたが、ラップシーン出身のMachine Gun Kellyがポップパンクアルバムでチャートの1位を取った事は彼に取っても、そしてポップパンクシーンにとっても大きな出来事だった。

 

 

blink-182での活動と並行して、Travis Barkerは近年多くのラッパー達とコラボしている。中でもLil Peep登場以降世界中で盛り上がりを見せているエモラップと呼ばれるシーンでの活躍が顕著だ。代表的なもので言えばnothing nowhere.との「destruction」やKennyHooplaとの「ESTELLA」、POORSTACYとの「Choose Life」などで、どれも数十万回から数百万回以上再生されている (*YouTube)。

 

 

多くのエモラッパー達はblink-182以降のポップパンクにも親しみ、ラップ以外の音楽的ルーツを持っている。そうした新しい世代のラッパー達と現行ポップパンクシーンの橋渡し的な役割として、Travis Barkerが今一役買っているというのが現状だ。

 

ラッパーMOD SUNがかつてのロック・プリンセスAvril Lavigneとコラボし、ニューシングル「Flames」をリリースしたばかりだ。gucchihighwatersやCold Hartなど現行エモラップシーンのトップを走るアーティスト達がEpitaph Recordsと軒並み契約を発表しているのも、そうしたトレンドがあるからだろう。Epitaph Recordsのオーナーであり、Bad Religionのギタリストとして知られるBrett Gurewitzは、現代のエモラップはかつてヒップホップとパンクがクロスオーバーした時を思い起こさせると、ラッパーとの契約時にポストしている。

 

 

ポップパンクシーンにとってもラップシーンにとっても、Machine Gun Kellyの『Tickets to Downfall』をきっかけに双方が結びつきをさらに強くし、どちらにとってもポジティヴな影響が2021年以降必ず出てくるだろう。今その流れをつかんでおけば、今よりもっとこれからのポップパンクを楽しむ事が出来るはずだ。

 

 

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