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2021年を振り返る : 韓国が2022年のポップパンク・シーンを加熱させる

2021.12.29

 

Machine Gun Kellyの『Ticket To My Downfall』から始まり、MOD SUN、YUNGBLUDといったポップパンクを鳴らすシンガーソングライター達が次々とブレイク。Travis Barkerをキーパーソンに、Jack Kays、Cspr、POORSTACY、KennyHoopla、iann dior、Suecoといった新時代のポップパンク/ロック・ヒーロー達が産声を挙げ、ついにはAvril Lavigneがポップパンクを鳴らし再びロック・シーンを席巻。これほどまでにポップパンクが、しかもblink-182やNew Found Gloryが鳴らした90’サウンドが現代に復活するとは数年前なら誰も想像出来なかったことだろう。

 

いわゆるアメリカのロック/ポップ・シーンでこのようなトレンドが発生したことを受け、別の音楽シーンが刺激を受けているのは確かだ。Lil Lotusやnothing, nowhere.、drippin so prettyは主にエモラップと呼ばれ、上記のムーヴメントとはまた違った文脈でブレイク。その中でもnothing,nowhereはポップパンク、エモ、そしてヒップホップとファンベースが幅広い。もちろん彼もTravis Barkerとのコラボ楽曲を制作。やはりTravisはキーパーソンだ。

 

 

ややかけ離れてはいるが、ポップパンク・ファンを自称するPost Maloneがセレブ・ミュージシャンの仲間入りを果たし、Lil PeepやJuice WRLDがエモラップを確立。その流れを経て登場したThe Kid LAROIがJustin Beaverとのコラボ曲「STAY」で大ヒットを飛ばした。直接的にポップパンクをプレイした訳ではないが、確実にポップパンクを通過した音であり、彼らの音楽にもポップパンクの影響が少なからずあると言える。

 

本題とこれらがどのように関わっているのかと言うと、BTSがアメリカでブレイクし、その次を狙う韓国のアーティスト達がポップパンクっぽい楽曲を作ったり、アメリカのポップ/ロック・アーティストとのコラボレーションを行なっていく動きが少なからずあるのだ。世界のポップ・ミュージックを牽引する存在になってきた韓国から、Machine Gun KellyやAvril Laviguneのようにポップパンクとクロスオーバーしたようなサウンドが出てきたら、それはおそらくアメリカ進出を狙ってのものだろう。この動きが加速すれば、韓国がポップパンク・シーンを大きく変えてしまう可能性が出てくる。その兆候と思える楽曲を3つピックアップして紹介していきたい。

 

 

筆者が韓国のポップシーンがアメリカのロックシーンへ挑戦する動きを最初に感じたのが、TXTことTOMORROW X TOGETHERの「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)」だ。この楽曲にはいくつかバージョンが存在するが、MOD SUNをフィーチャーしたバージョンはTXT、そしてMOD SUNファンからのコメントがたくさん書き込まれている。共にこのコラボレーションに対してポジティヴな意見が多く、TXTにロックなヴァイブスをもたらしてくれたことに興奮しているファンも多い。

 

Black Flagを知らないファンがバンドTシャツであることを説明した画像

 

TXTはミュージックビデオの中でバンドTシャツを着用しており、AC/DC、KISSをはじめ、BLACK FLAGやDEAD KENNEDYS、さらにはShadows Fallとパンクからメタルまで多種多様。そうしたアプローチがアメリカを中心とするロックファンのハートを掴んでいるように感じたし、TXT運営側の策略なのかとも思う。

 

 

一番最新の楽曲で言えば、カナダ出身で韓国を拠点に活動するJeon Somi(チョン・ソミ) のシングル「XOXO」は、そのままアメリカのポップ・ロックシーンに食い込むことが出来るポテンシャルを持った仕上がり。そのミュージックビデオの再生回数は12月21日時点で驚異の68,567,332回。NYLONでのインタビューでも「POP PUNK」の文字が出てくるし、明確にポップパンクとして世界へアプローチしているのが凄い。同名のアルバムの中にはロックなものはないが、Jeon Somiの「XOXO」がひとつ、ポップスターとして成功するための”きっかけ”になっていたとすれば、彼女に続くアーティスト達がポップパンク・テイストな楽曲を出してくる可能性はゼロではない。

 

Jeon Somi

 

 

セブチの愛称で親しまれるSEVENTEENの最新曲「Rock With You」は、The Kid LAROIとJustin Bieberのコラボ曲「STAY」への回答だ。The Kid LAROIはエモラッパーJuice WRLDの一番弟子のような存在で、Juice WRLD亡き後、ポップシーンで頭角を表し、Justin Bieberとのコラボで人気に火が付いた。The Kid LAROI自身もエモラップ、オルタナティヴラップを通過したポップ・サウンドを得意としており、それはしっかりと現行ポップパンクシーンにも届いている。

ヘヴィなリフをプログレッシヴに刻むBelmontが「STAY」のカバー、Pure Noise Recordsから配信されていたり、多くのロック、ポストハードコア、ポップパンクバンドが後を追うように「STAY」をカバーした。BTSのJungkookも数千万人が視聴したライブ配信で「STAY」を歌い、同じくBTSのSUGAはJuice WRLDの「Girl Of My Dreams」にフィーチャリングしたり、このあたりのポップスやラップと韓国シーンの関わりも注目しておきたい。

 

世界を席巻する韓国のポップシーン。アメリカの音楽チャートに続々とランクインする未来も近いかもしれない。いや、もしかしたら韓国がポップスの中心地となっていくのかもしれない。引き続き関係性をウォッチしていきたい。
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