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ASIAN KUNG-FU GENERATIONをカバーする海外のミュージシャン達

2021.10.29

 

ASIAN KUNG-FU GENERATIONは2021年で結成25周年を迎えた。そんな彼らの人気が海外でも高いことは2021年7月に公開されたTHE FIRST TAKEの「ソラニン」のコメント欄や後藤正文氏のSNSに書き込まれる海外からのコメントを見ればよく分かるだろう。英語だけでなく、スペイン語やフランス語でもコメントが書き込まれており、日本語詞の楽曲が多いASIAN KUNG-FU GENERATIONの魅力が、言葉の壁を超えて世界の音楽ファンを魅了していることを証明している。

 

 

魅了しているのはファンだけでなく、日本のロックをウォッチする海外ミュージシャンも同じだ。特にアニメの主題歌になっているASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲は人気が高く、英語でアレンジされたものから、日本語での歌唱にチャレンジする人もいた。本コラムは、25年を経過した彼らの活動を通じて、国際的な人気を獲得した彼らの楽曲を、英語で、そして日本語でカバーした海外のミュージシャンにフォーカスして書いてみたいと思う。

 

 

 

ASIAN KUNG-FU GENERATION最大のヒット曲「リライト」は、アニメ『鋼の錬金術師』のオープニングテーマに起用され、シングルとしてバンド初のアニメタイアップとなった。コピーコントロールCDに対する皮肉がテーマの楽曲であったが、アニメのタイアップになった事からヒットし、北米のアメリカン・アニメ・アワードでベスト主題歌賞を受賞するまでの人気を獲得した。いわゆる「アニソン」として世界に知れ渡った本曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの名前を国際的なものへと成長させている。多くのミュージシャンが歌ってみた的な動画を公開しているが、Darling Thievesが2012年にリリースしたEP『The Ecxtended Play』に収録された英語版リライトが現在までのベストカバーと言えるだろう。

 

Darling ThievesはI Hate Kateというオルタナティヴ・ロックバンドが母体となっており、1996年から2004年までZebraheadに在籍したJustin Maurielloによって始まったバンドだ。原曲に忠実ながらいわゆる”海外のロック”テイストが感じられるのは、楽曲を制作した後藤氏から滲み出る洋楽からの影響が要因なのかもしれない。

 

 

ASIAN KUNG-FU GENERATIONとアニメ主題歌と言えば、「遥か彼方」も代表的な楽曲だろう。2002年にインディーズで発売されたミニアルバム『崩壊アンプリファー』に収録されており、翌年メジャーから再発された本作の1曲目に収録されているこの楽曲は、『NARUTO -ナルト-』第2代(第26話~第53話)オープニングテーマとして起用され、世界中へ広まった。マレーシアのシンガーソングライターFatin Majidiは、完璧な日本語でカバーしており、アコースティックなアレンジも秀逸だ。ナルトのオープニング/エンディング・ファンというのも海外には多く、そこからASIAN KUNG-FU GENERATIONの名前を知り、ファンになる人も多いようだ。

 

 

フジテレビ”ノイタミナ”アニメ「僕だけがいない街」のオープニングテーマに起用された「Re:Re:」は、アニメの中にも「Re:Re:」という文字が登場するなど、アニメと楽曲が互いにリンクした楽曲になっており、国内外問わず、ここからASIAN-KUNG-FU GENERATIONを知った人もいるだろう。非常に多くのカバー動画が存在する楽曲だ。

 

 

浅野いにおによる漫画「ソラニン」の映画化に際し、その主題歌としてASIAN KUNG-FU GENERATIONが書き下ろした「ソラニン(作詞:浅野いにお 作曲:後藤正文)」も、アニメ主題歌ではないものの、海外人気が高い一曲だ。インドネシアの男女混合ロックバンドMEMOによるカバーは日本語で歌われており、メンバーも映画の大ファンであることをSNSに書き込んでいる。日本のロック・ミュージックがアニメや映画といった別文化を通じて世界に知れ渡り、そしてこのように影響を与えているということは、これからの日本のロックにとって重要なことだ。そして、ASIAN KUNG-FU GENERATIONがいなければ知ることのなかった世界中の素晴らしいミュージシャンたちを知ることができた事実も、海外のミュージシャンたちにとっても重要なことだろう。
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