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【2024年上半期】華々しい活躍を見せた女性ポップパンク/ロック・バンド 名盤6選

2024.06.23


 
近年、クオリティの高い女性アーティスト達が毎年のように登場し、メジャーはもちろん、アンダーグラウンドなポップパンクからエモロック、そしてパンクロック・シーンに至るまで幅広い活躍を見せている。彼女たちは高い演奏技術を持ち、シンガーとしての実力はもちろん、Taylor Swiftに影響を受けたような赤裸々で、辛辣で、全てを大っぴらに曝け出すような歌詞で同世代からの支持を集めている。TikTokやInstagramなどソーシャルメディアを上手く利用しているのも面白い。このコラムでは、さまざまな魅力が溢れる昨今の注目アーティスト/バンドの中から、2024年上半期に印象的な作品をピックアップしてみようと思う。
 

 
Charlotte Sands 『can we start over?』
▶︎https://charlottesands.os.fan/
 
テネシー州ナッシュビル出身のシンガーソングライターのデビュー・アルバム。2020年にシングル「I Don’t Care」や「Dress」でブレイクすると、TikTokを中心にファンベースを拡大していった。周囲の人たちを喜ばせる為の努力が実らなかったことの葛藤など、人間味が溢れだすような、ありのままの自分をさらけ出した歌詞とネオン・ポップパンク・フレーバーの爽やかで耳馴染みの良いポップパンク/ロック・サウンドで本国を中心に同世代からの支持を集めている。Point Northをフィーチャーした「on the outside」は力強いポップロック・ナンバーでアルバムのキーリングと言えるだろう。
 

 

 

 
Letters Sent Home 『Forever Undone』
▶︎https://bfan.link/forever-undone
 
ドイツ・ヴォルフスブルクを拠点に活動する女性ボーカル・オルタナティヴロック/ポップロック・バンド、Letters Sent Homeのデビュー・アルバム。多くのメタルコア・バンドを手掛けるSharpTone Recordsと契約してリリースされた本作は、ポスト・ハードコアとUKロックがクロスオーバーし、成熟していく中でLetters Sent Homeが見出した独自性を上手くアルバムとして形にしている。Bring Me The Horizon以降のオルタナティヴ・メタル/ロックのスタンダードとも言えるスタイルは、彼女らによって拡大され、後続へと続いていくはずだ。
 

 

 

 
House Parties 『Side Effects』
▶︎https://houseparties.lnk.to/sideeffects
 
2019年に結成、テキサス州ダラスを拠点に活動する彼/彼女らは、ボーカリストChaney Elaine、ギタリストSpencer Trinidad 、ドラマーWesley K. Jonesのトリオ編成を取り、パンデミック期からじわじわと力を付け、Hawthorne Heightsが主催するフェスなどへ出演するなど頭角を見せてきた。Equal Visionと契約して発表された本作は、4曲入りのEPでありながら、State ChampsのDerekがプロデュースした、弾けるようなフックの効いたポップパンクで、State ChampsやNeck Deepの登場を思い出させてくれる。
 

 

 
Lauran Hibberd 『girlfriend material』
▶︎https://lauranhibberdband.bandcamp.com/album/girlfriend-material
 
ワイト島出身のポップロック・シンガーLauran Hibberdのおよそ2年振りとなるセカンド・アルバム (Virgin Musicから)。All Time LowのAlex Gaskarthをフィーチャーした「pretty good for a bad day」や父を亡くした想いを歌った「i suck at grieving」からも分かるように、彼女のサウンドは2000年代中期のエモ・ポップパンクのアトモスフィアをまといながら、オルタナ、インディロック、またはフォークを横断していく自由奔放さに溢れている。悲しみ、苦しみも包み隠すことなく、ちょっぴりの不器用さも見せながら、リスナーを引き込む快作。
 

 

 
For I Am 『The Righteous & The Wicked』
▶︎https://foriampunk.bandcamp.com/album/the-righteous-the-wicked
 
ベルギー・アントウェルペン出身の女性ボーカル・メロディックパンク5人組、For I Amの7年振りとなるサード・アルバム。F.O.D.の弟分、というか過去にはF.O.D.メンバーの息子が在籍していた事もあるFor I Amは、本作でFor I Amとして作るべきサウンドの方向性を捉え、独自性を確立することに成功している。彼/彼女らの楽曲としては珍しいアグレッシヴさ際立つ先行シングル「Power Behind The Throne」にあるようなStrung Outを彷彿とさせるスラッシーな熱気はアルバム全編に渡ってキーとなっており、ロックンロールなリフがヘヴィに絡み合う「Devil Undercover」などもこれまでのFor I Amとは一味違った魅力が溢れた1曲。ミュージックビデオは見ない方が良いかもしれない……。
 

 

 
LØLØ 『falling for robots & wishing i was on』
▶︎https://ffm.to/fallingforrobots
 
ここ数年シングル・リリースを続け、着実に知名度を拡大してきたポップロック・シンガーソングライター、LØLØが、デビュー・アルバム『falling for robots & wishing i was on』をHopeless Recordsからリリースしました。LØLØは「この3年間、このアルバムの細部に至るまで懸命に取り組んできたから、今この瞬間にリリースすることは、これまでで最も奇妙で、最もエキサイティングで、最も怖い感覚だわ。今、このアルバムはみんなのもので、私にできることはただひとつ、みんなが私と同じようにこのアルバムを気に入ってくれることを祈るわ」とコメント。多くの楽曲は、Taylor Swiftを彷彿とさせるような恋愛に関するもの、内省的なものであり、特に同世代の女性達への親しみやすさは絶大だろう。
 

 

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