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2021年を振り返る : Chunk No! Captain Chunk!がカムバック、ヘヴィ・ポップパンクバンド達の一年

2021.12.25

 

2020年の終わり頃から、Chunk No, Captain Chunk!が新作のレコーディングをしているというニュースがあり、今年7月に6年振りとなるスタジオ・アルバム『Gone Are The Good Days』がリリースされた。メタルコアとポップパンクをクロスオーバーさせ、それまでのA Day To RememberやFour Year Strongといったポップパンク/ハードコア・サウンドとは違うヘヴィさで一気にシーンのトップへと登り詰めた彼らであったが、2015年にリリースしたアルバム『Get Lost, Find Yourself』からペースダウン。フランスを拠点にしているところや、メンバーそれぞれがエンジニアとしての仕事で忙しかったこともあるだろうが、その間ヘヴィ・ポップパンクを鳴らすバンドでChunk No, Captain Chunk!を超える存在は登場しなかった。

 

 

スウェーデンから登場したAbandoned By Bears、主要ポップパンク・レーベルによってフックアップされたSink The ShipAcross The Atlanticなどが2010年代後期を支えたものの大きなブレイクはなく、BelmontSuperloveの登場などによってやや新しいアプローチが出てきた、といった状況だ。それでも根強いヘヴィ・ポップパンクファンは多く、注目度はそれほど高くはなかったものの2021年も面白い作品がいくつか発表された。Chunk No, Captain Chunk!のように再びシーンにカムバックしたバンド、そして2022年以降更なるブレイクが期待できる”新しいヘヴィ・ポップパンク”にフォーカスして、2021年のリリースを振り返ってみよう。

 

 

まずはSharpTone RecordsからMutant League Recordsへと移籍したSettle The Scoresをピックアップしてみよう。2010年中期から活動をスタートし、2018年にはSharpTone Recordsからアルバム『Better Luck Tomorrow』をリリース。当時のSharpTone Recordsはメタルコアに加え、ポップパンク・バンドのフックアップにも熱心だったが、Telltale、Across The Atlantic、そしてSettle Your Scoresとレーベルを離脱。彼らはアメリカのアンダーグラウンド・ポップパンクレーベルMutant League Recordsと契約を結び、今年アルバム『Retrofit』を発表した。ソフトなサウンド・プロダクションになったものの、バウンシーでキャッチなフレーズは健在だ。

 

 

 

フランスを拠点とするBack Garden Lightは2017年に来日を果たしたChunk No, Captain Chunk!直系のヘヴィ・ポップパンクバンドで、今年セルフタイトル・アルバム『Back Garden Light』をリリースした。オリジナリティ、という点においてはやや評価に苦しむが、Chunkがいなかった2010年代中期から後期にかけて、ヘヴィ・ポップパンクシーンにおける存在は凄まじかった。本作はヒット・シングル「Hitting The Road」や「Such A Shame」といったメロディアスかつヘヴィな楽曲が多く、非常に聴きごたえがある。Settle The ScoresやBack Garden Lightがアルバムを発表、ポップパンクYouTuberとして知られるSunrise Skate Kidsもシングルリリースするなど懐かしい名前に盛り上がった2021年であった。大きなブレイクはないものの、しっかりとヘヴィ・ポップパンクは歴史を重ねていた。

 

 

 

 

さて、ここからは2022年以降、新しいヘヴィ・ポップパンクとして期待が出来るニューカマー達の2021年リリースのアルバム、EP、シングルを振り返ってみよう。ヘヴィなアレンジを施したオルタナティヴ/インディー・フレーバー香るポップパンクを鳴らしたSuperloveは、イングランド/ブリストルからRude Recordsを通じてデビューを果たした。


2020年9月に発表されたシングル「THINK ABT U」はグルーヴィなオルタナ・リフと爽やかなポップパンクを見事にブレンドし注目を集め、メンバーチェンジがあったものの、今年『…but for the moment』をリリース。他のポップパンク・サウンドを見渡せば、オルタナティヴ・ロックやインディロック/ポップの影響を受けたサウンドはすでに存在していたものの、オルタナのダイナミズムを新たな”ヘヴィ”と解釈したことはSuperloveの画期的な発明だったように思う。また、ヘヴィではないものの、Super Americanといったバンドも新感覚のバンドとしてSuperloveと共に話題によく上がっていた。

 

 

2021年を象徴するヒット曲、The Kid LAROIの「STAY」のカバーで注目を集めたBelmontも、ポップパンク・シーンの中で異端なサウンドを鳴らし孤高の存在感を放っている。今年はPure Noise RecordsからEP『Bowser’s Mixtape』を発表。The Story So Far、Knuckle Puck、Real Friendsといったサウンドを通過しながらヒップホップのグルーヴをメタリックなプログレッシヴ・リフで鮮やかに仕上げたサウンドは、そう簡単にフォロワーが生まれそうもない高等技術の上に成り立っている。ローカルな存在でありながら過酷なツアーを経て培ったバンド・アンサンブルの妙を見事に現代的にアップデートしたBelmontの躍進は2022年も続くだろう。

 

 

 

そしてやはり見逃せないのが、アフリカ系アメリカ人トリオ、Meet Me @ The Altarだ。ポップパンクの歴史を見渡しても彼女達のようなバンドは存在してこなかったし、現代アメリカだからこそ登場ししっかり評価されたことは素晴らしいことだ。別で執筆したコラム「2021年を振り返る : アフリカ系アメリカ人ポップパンクの躍動」などで彼女達についてはさらに細かく書いているが、メジャーであるFueled By Ramenからキャッチーなリフを搭載したヘヴィ・ポップパンクが再び脚光を浴びる日が来るとは思っても見なかった。彼女達の後を追うような存在が2022年以降登場することを願うばかりだ。そしてMeet Me @ The Altarがどこまで行ってしまうのか、そこからも目が話せない。

 

 

 

まだまだアンダーグラウンドな存在ではあるが、UNWELLというバンドも今年『New Moons』というEPでデビュー。手の込んだミュージックビデオにプロモーションとD.I.Y.ながらシーンへのアプローチは手堅い。カリスマ性のあるボーカルにダイナミックなブレイクダウン、それでいてヘヴィになりすぎない絶妙なサウンドはメジャー向きに感じる。こうしたバンドもまだまだ掘れば出てくるというのが、ポップパンクの面白いところだ。

 

 

国内に目を向けると、来年に向けて活躍が楽しみなポップパンク/イージーコアバンドたちが年末から年始にかけて新しいニュースをアップしている。Kings and QueensやCoke Likes Boy、Bring it on Your OwnやGet All Around、そしてこれから動き出すA Good Night’s Sleepなどチェックしてみてほしい。

 

 

 

 

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