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新時代のポップパンク・プリンス、Machine Gun Kelly 待望のニューアルバム『mainstream sellout』リリース!

2022.03.25

 

 

テキサス出身のシンガーソングライター、Machine Gun Kelly (マシンガン・ケリー) が通算6枚目のスタジオ・アルバム『mainstream sellout』を2022年3月25日に Bad Boy / Interscope Recordsからリリースしました。全米1位を記録した大ヒット・アルバム『Tickets to My Downfall』に引き続き、blink-182のドラマーTravis Barkerによるプロデュースで制作され、Travisがドラムも担当している。

 

楽曲毎に多彩なゲスト/プロデューサーが参加。Bring Me the Horizon、Lil Wayne、Blackbear、WILLOW、Iann Dior、Gunna、Young Thug、そしてTravis Barkerの息子Landon Barkerも各楽曲に参加している。

 

 

前作がビルボード・チャート1位を記録したことから、本作のリリースに際して行われているプロモーションも魅力的なものばかりだ。billboardでは「Pop Punk’s Crown Prince (ポップパンクの皇太子)」というキャッチフレーズが付けられ、現代のポップパンクを代表するアーティストとして打ち出されている。ヒップホップ出身でありながら、Travis Barkerとのコラボレーションをきっかけにロック/ポップパンク・アーティストとして成功を果たし、一躍ロックスターとして確固たる存在感を放つようになった。ゲスト参加陣を見ても分かるように、オルタナティヴ・ラップシーンでエモ/ロック/ポップパンクの影響下にあるian dior、Avril Lavigneの最新作にも参加しているBlackbear、blink-182とのコラボを果たしているLil Wayneなどヒップホップ・シーンのラッパーとのつながりも厚く、これまでのMachine Gun KellyとこれからのMachine Gun Kellyどちらの魅力も味わえる作品となっている。

 

 

 

アルバムについて話し始める時、やはり最初のテーマとして上がるのは、『mainstream sellout』という衝撃的なアルバム・タイトルだろう。元々この作品は、『Born with Horns』という名前でリリースされる予定であったそうだが、この楽曲の歌詞を読むことで、Machine Gun Kellyの現在地が分かる。

 

Machine Gun Kellyは、自身をポーザーであるとか、馬鹿にするリスナーに対し、楽曲のキーフレーズである「Leave The Scene You’re Ruining It (シーンを離れてくれ、あなたがシーンを台無しにしているんだ)」と歌う。ポップパンク・リバイバルのシンボルとして2020年以降に彼らに向けられた言葉は決して温かいものばかりでなかった。「セレブだから簡単に成功した」、「アイコンでなくただのパロディーだ」歌詞の中には辛辣な言葉が並ぶ。Machine Gun Kellyはそれに対し、「The Mainstream’s Waiting Give Them What They Want Now (メインストリームは待っている 彼らが望むものを与えるんだ)」と楽曲の最後に叫ぶ。このアルバムのスタイル、メインテーマは全てこの楽曲に詰まっていると言っていいだろう。

 

 

 

 

先行シングル「maybe」でフィーチャリング・ゲストとして参加しているBring Me The Horizonもまた、Machine Gun Kellyが『mainstream sellout』に込めた想いに共鳴しているように感じる。元々はデスコアからキャリアをスタートさせ、その後メタルコア〜オルタナティヴ・メタルコアへとスタイルチェンジしながら、今年に入ってEd Sheeranとのコラボも実現させた。多くのメタル・ファンの中には、メインストリームへと”セルアウト”したBring Me The Horizonより、初期の荒々しいスタイルが好きなファンも多いだろうが、Bring Me The Horizonはファンが求める姿を追求し、ロックスターへの道を歩んでいる。アメリカとイングランドの同じ境遇を持つアーティスト同士がジャンルの垣根を越えコラボした「maybe」は、冒頭、「2,3,5!」というカウントからも彼らのひねくれたエネルギーを感じることが出来るし、そのサウンド・デザイン、歌詞からも「ファンが求める、2022年のロック」を鳴らしているように感じる。

 

 

「ポップパンク」は、これまでも散々な言われ方をして育ってきたジャンルの一つだ。元を辿れば「パンクなのにポップだなんて信じられない」というところからいきなり散々な反発にあってきた。それでも、1994年以降Green DayやThe Offspringによってポップなパンクが市民権を得、「ファンが求める音楽」として成長し、90年代の終わりにblink-182が台頭したことで、現代までその歴史を積み重ねてきた。The Story So Far以降、State ChampsやNeck Deepらによって2022年のポップパンクの下地が育まれ、様々な形でクロスオーバーしながら常に未来派な音楽として、ポップパンクはコアな音楽ファンに愛されてきている。もちろん、そのフィールドに突如やってきたかのようなMachine Gun KellyがTravis Barkerなどのパンクスターとのコラボでビルボード1位を獲ったことを簡単に良しとしないリスナーの気持ちも分からなくもない。ただ、「2022年、これからのポップパンクに求められるもの」を多彩なゲストを用いて形にしているMachine Gun Kellyはアンダーグラウンドからも評価するべきだ。「Pop Punk’s Crown Prince」という彼に付けられたキャッチフレーズは、決して大袈裟でないし、その責任とプライドがMachine Gun Kellyにはあるはずだ。

 

彼の存在をきっかけに、ギターを手に取る少年少女がいるだろう。2022年にメインストリームでポップパンクを鳴らすことがどれだけ困難で誰にでも出来ることでない。Machine Gun Kellyのポジティヴなヴァイブスが、これからのポップパンクを再び明るいものにしてくれるはずだ。セルアウト上等、ファンの為であるならば。 
 

Machine Gun Kelly 『mainstream sellout』
タワーレコード・オンライン : https://tower.jp/item/5341349/Mainstream-Sellout

 

1. “Born with Horns”
2. “God Save Me”
3. “Maybe” (featuring Bring Me the Horizon)
4. “Drug Dealer” (featuring Lil Wayne)
5. “Wall of Fame (Interlude)” (featuring Pete Davidson)
6. “Mainstream Sellout”
7. “Make Up Sex” (featuring Blackbear)
8. “Emo Girl” (featuring Willow)
9. “5150”
10. “Papercuts” (album edit)
11. “WW4”
12. “Ay!” (featuring Lil Wayne)
13. “Fake Love Don’t Last” (featuring Iann Dior)
14. “Die in California” (featuring Gunna, Young Thug and Landon Barker)
15. “Sid & Nancy”
16. “Twin Flame”
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